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at NY

あなたとの会話を完成させるため向かうホイットニー美術館

なにかこう焦ったような湿り気をまとって春はまつげを滑る

捨てられた自分でいるか愛される自分でいるか迷う夕方

ミルクレープ一枚一枚剥がしつつ昼間の夢をゆっくり食べる


Chrysler bldg


恋の始まりは、一人旅を孤独にさせない。
彼への土産話を考えるだけで全てが一層輝く。

「ホッパーの、ある絵の展示の仕方が素晴らしいんだよ。どう良いかは君なら分かると思うな」

散々美味しいレストランやらチョコレートショップやらを聞き出した時に彼は、最後にホイットニー美術館のことを付け加えた。

その美術館は、美術館だらけなのでMuseum mile と呼ばれるフィフスアベニュー沿いに立つ。NYで近代画と言えば当然MoMAが一番有名だが、こちらも劣らずに近代アメリカを代表する絵画が並ぶ。特にホッパーが充実している。

今回は仕事で来ているが、美術館の一つくらいは一人で見に行く時間が作れた。
4月の終わりの昼間は夏のよう。

その絵はすぐに見つかった。エドワードホッパーのWoman in the sun。
ベッド脇に立つ女性。右側に開け放たれたドア。彼女はその向こうの海を見つめている。抑えたな色彩と構図は、ヌードを静謐に見せる。ふと視線を転じると、横に細い窓があった。ちょうど絵の中と同じように、画面右側を自然光が淡く照らす仕掛け。面白い展示法とはこの事だろう。

笑顔になった私は、その場で彼に電話をかけたい衝動に駆られたが止めた。場所や時差だけでなく、私と彼との間には考慮しなければならない沢山のものがある。

だけど、夢想してしまった。絵と同じシチュエーションの私を。実際に起こりえる近い将来。

うーん。
だが今は、しばし頭を冷やす為に78丁目のLady Mまで歩いて行くことにしよう。
あそこのミルクレープは美味しい。


[2011/04/24 11:11] | at the city | トラックバック(0) | コメント(4) | page top
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コメント
相変わらずかっこいい世界観だね。

これをZineとかにしたらタツローさんのお店で人気出そうだけど、そういうのは考えてないの?
[2011/04/25 01:16] URL | 木下侑介 #- [ 編集 ] | page top
・木下くん
ありがと!このシリーズは意外と男性から好評なんだよね。嬉しいわ

そう。いつかタツローさんもzineにしたのを見たいって言ってくれてたなあ。ちょっと時間かかるけど、まとめるの頑張ってみるよ☆
[2011/04/25 08:19] URL | えいみ #- [ 編集 ] | page top
Woman in the sun

この絵は衝撃的な構図で今でもその瞬間を覚えてます。
[2011/05/12 05:41] URL | Mochi. #- [ 編集 ] | page top
・Mochiさん
お久しぶりです。コメントどうも有難うございます!!
そうですね、
わたしはcleanという言葉がぴったりな印象的な絵だと思いました。
どんな場面なのかは曖昧で、見た人によって色んなイメージを生み出せる所にホッパーらしさを感じます。
[2011/05/14 00:47] URL | えいみ #- [ 編集 ] | page top
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