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a story of "From NY"
brooklyn bridge

地下鉄をキャナル・ストリート駅で降りて5分程歩けば、そのカフェはある。

NYのチャイナタウンは年々拡大してるというが、広さだけでなく、その中国らしさも深さを増していっているようだ。NYにいるのに本当に中国に来てしまったかと錯覚する街。

看板は漢字の方が多いし、全ての物のプライスも他より安め。チャイニーズ以外には貸さないアパートメントも多いという。まるで治外法権があるようだ。
そうであっても、やはりここはNYなので気軽でモダンなお店も多い。そのカフェもフランチャイズ的な小綺麗さがあった。だからあの時の私達もごく自然に休憩に入った。



1$のエッグタルトを紙袋に入れてカウンターに並ぶ。
ああ、変わらずにTeacoffeeはちゃんとある。


「変なメニュー。紅茶とコーヒーを混ぜてるってことなのかな」
「聞いてみたら。というか頼みなよ」
いつかの私達が隣ではしゃいでる。


知ってるのに、私は尋ねる。
まるで初めて来たツアリストのように。あの日のあなたのように。

中国訛りのきつい英語でお姉さんはぞんざいに答えた。それもまたあの日と同じ。手渡されたカップには、コーヒーの滴があってすでに汚くて、私は小さく苦笑いをした。

Teacoffeeとは、薄いコーヒーに紅茶のティーバッグを入れた形で出される。私はここ以外では見たことが無いメニューだ。味はよく分からないというのが正直なところ。


「意味分からないよね。どっちかで良いと思う」
私達は笑ってそう文句を言いながらも、一つのカップはすぐ空になった。



曖昧な味。

曖昧な街。

曖昧だったお互いの気持ち。

記憶の中のあなたの顔もまた、曖昧になってしまっている。



もう四年も前の事だ。
[2009/10/03 13:58] | at the city | トラックバック(0) | コメント(4) | page top
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コメント
……実話?
ドキドキした

[2009/10/03 17:14] URL | くま☆さん #- [ 編集 ] | page top
・くまさん、
毎度コメントありがとう。
実話の部分もあるし、そうじゃないところもあります。
くまさんの文章もそうだと思うけど。

まあ。
読んでドキドキして頂けたなら嬉しいです。こういう話って書き方によっては浅くなりがちだからね。
[2009/10/04 00:07] URL | えいみ #- [ 編集 ] | page top
ショートストーリーと木炭画が、同じ雰囲気で、今のすこし寒い季節にぴったりだね。
私もどきどきしながら読みました。

ラストの行間に、四年間がつまっているようです。
[2009/10/08 09:37] URL | イマイ #- [ 編集 ] | page top
・イマイさん
どうもありがとうございます♪
そうですね、最近は日が落ちたら益々寒くなってきて、こういうセンチメンタルな話がより似合う季節になってきましたよね。

イマイさんにもどきどきして頂けたなんて嬉しいです。
またこういう外国ストーリーを書こうと思ってるのでお楽しみに。
[2009/10/10 19:18] URL | えいみ #- [ 編集 ] | page top
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