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cherry blossom
 男子目線で50首。
短歌って基本、作者自身が主人公になってしまうらしいけど、男子になりきって詠んでみた。こーゆーのもアリなのかな。小説なら普通だし、ね。世界観が伝われば良いです。(でもちゃんと男子目線になれたかな。。)

ギンガム

半袖のポロシャツを着て飛び出した 短篇小説読み終わったから
話してないこともブログに書いていて僕はきみを裏切っている
銃声のごとし真昼のマンションに布団たたきが反響していて
さくら咲くいつかの人の誘惑を思い出させる煙くゆらせ
カタカナと漢字の桜 ひらがなのさくら どれが好きなんですか
いつのまに満開になる並木道 いつもよそ見をしている罰に
何もかもヴォリウムの無い部屋になる白いものだけ食べたい四月
ざらざらとした気分にしかなれなくて太宰のレポートなんか書けない
聞き飽きた外国の曲をまた使うCMのどこが新CMかよ
六月に太宰は生まれて死んだらしい 勿論桜の咲いてない時期


幸せになれないという幸せのなかで人は心中出来る
武蔵野で入水自殺をした著者を思って食べるグレープフルーツ
いくつかの気のはやく枯れたさくら花 太宰に恋した女のような
四回の自殺 太宰は相当に嘘ばかり上手い男だと思う
検索にかければ百万人からの太宰の話を聞ける春の日
パソコンがフリーズしている数分間 短い恋しかしてないと思う
僕達にとってリセットする事は健康維持とニアリィイコール
人影の動く廊下が見える部屋 人と人との距離とは何か
跳び回る上の階の子どもたち 生きてることを主張されてる
出さなくちゃいけない課題を出さないで家でキャベツを切ってる幸福


返事だけして先生は消えてゆく 縦じまのシャツは冷たいにんげん
B4の抜き打ちテストが白すぎてサングラスしてもいいですか先生
四文字の言葉を言えずに四文字の解答欄を埋める四限目
優しさを太宰は道化と呼んでいて君への優しさ折りたたむ夜
あふれ出る怒りを錨に換えながら此処にいる為おもりが必要
その昔さくらの香りは奪われた 見た目がひどく美しい為に
「せつない」と「刹那的」の意味が似ているような気にさせている君
ローソンの立ち読みだけで飽きちゃって買わない雑誌のように別れる
明後日の予定も立てずに二年後の皆既日食見に行く約束
どうしてもそれを退かしてくれないか 未来に何度も咲くらしい桜

小花

一人だけ遅れて出したレポートのさみしさ染み込む茶色の廊下
喪失の本当の意味を知らせてるように見えた「遺失物」の文字
マン・レイの写真の写真を撮る人のいる東京都写真美術館
涙さえ無機質になる 上を向く女の写真シュルレアリスム
ひっかかる言葉について考える 携帯電話を壊せないので
モノクロが意識をさらう空間の人々をつつむ繭は銀色
切り取った世界が切なく震えてる ロバート・キャパの灰色の部分
約束は忘れてないから気が付けば考えすぎて嫌いになった
洗ってないトマトのように苦いという煙草をきみも吸い始めた春
その後に泣いてしまう君がいて 何かを壊した五歳児になる


孤独だけこの部屋に置いて出て行ったメンソレータム忘れるみたいに
起き抜けに昨日の珈琲飲んだ朝 二十年後に泣けるような絵
あの空を欲しがるように背伸びして五階のボタンを押せない子供
うららかな春を殺した十一時 喧嘩は朝にするものじゃない
溶けないで残った砂糖が微笑んでつぶやく「実は珈琲が嫌い」
きっとあと十年経ったら光文社新書に君を思い出さない
この春が君にやさしくあれば良い 口笛吹いて洗濯する夜
彩りを決めてモノは生まれ来る なんでピンクの洗濯ばさみ
Yの唄う春の曲はまだ聞けず他に流す曲を知らない
新しいハミガキ粉使う深夜二時 夏をひょいっと引き寄せてやる
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[2008/08/29 13:26] | 角川短歌賞 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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